ドリーム小説
どれくらいの痛みでこの痛みは癒されるの?
夜の空に満月が浮かんでいる。
川沿いに並んでいる木はしずかに風に揺れる。
その川沿いを土方は歩いていた。
特に用があった訳ではない。
ただ、なんとなく歩きたくなったのだ。
歩いていると女が倒れていた。
とても儚くて綺麗で触ると砕けてしまいそうなー。
色が白く、唇の赤が強調して見れた。
土方は声をかけるが返事がない。
迷った末、家に連れて帰ることにした。
朝、眩しい日の光がさしこんでくる。
隣に寝かせておいた女をみると目を開けていた。
「大丈夫か?」
返事はない。
しかしなにか辛そうな顔をしている。
昨日、怪我をしていないか体を見たがどこも傷ついていない。
熱もない。
土方は精神的なものだと思った。
「どれくらいの痛みでこの痛みは癒されるの?」
いきなりしゃべった。
土方は驚いたがしゃべれる事が分かって安心したのかホッとしたような表情になった。
「お前、名は?」
「……。」
愛想のない返事が返ってきた。
「何かあったのか?何故、倒れていた?」
「言わない。」
「言えないのか。」
「言えないんじゃない、言わない。」
可愛くない奴だと土方は思った。
「行くところはあるのか。」
「…ない。」
別にここに住まわしてやる義務もない。
でも何故かほっといておけない。
何がしたいのか自分でも分からず、土方はむしゃくしゃした。
「…ここに居てもいいぞ。」
自分が何を言っているのか土方は自分自身に驚いた。
自分がこんな事を言うと思っていなかったので、少し顔を赤く染め、下を向いた。
が少し笑ったように見えた。
「ありがとうございます。」
そういうとは軽くお辞儀をした。
「俺の名前は土方 歳三だ。住まわしてもらうんだったら名前くらい覚えとけよ。」
土方歳三…とは繰り返して言った。
はあまりしゃべらなかった。
言葉を必要としていないようにも見えた。
いつも縁側に座り、外を眺めている。
の目にはなにも映っていないように見えた。
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あとがき。
このお話は4話くらいになりそうです。
ようやく1話up.
ある人の曲の歌詞を使わせていただきました。
2話以降も歌詞を少し使わせていただきます。