ドリーム小説

土方はの過去を知ろうとしなかった。
ただ、平凡な毎日が過ぎていった。
ある日の出来事だった。


が派手に転んだ。


いつも変わらない表情がすこし歪んだ。
膝からは血を流している。
血は止まることを知らず、流れ続けていた。
面倒くさいのかよくわからないがは動こうとしない。
は膝を見つめたまま、縁側に座っていた。


「…痛い。」
小さくつぶやいた。




土方はを探して歩いていた。
ふと見るとが膝から血を出して座っているではないか。
土方は慌てた。


「あ。おはようございます、土方さん。」
土方に気が付いて愛想なく、決まり文句の挨拶を言った。


「おい。なんで怪我してんだよ。」
土方はの膝を指さしていった。


「転びました。」
「なんで手当をしない。」
「部屋まで行くのに歩いたら血で廊下が汚れます。」
土方はあきれた。


「馬鹿か、お前は。」


そういうと土方は軽くの頭を叩き、持っていた手拭いで膝をまいた。


「乗れ。」
土方が背中を向け、言った。


「は…?」
は訳が分からず動かなかった。


「足が痛いんだろ。それに歩くと血が出やすい。」
そういうとほれ、とまた言った。


「何言ってるんですか?」
はまだ分かっていない。

「……おんぶしてやるっていってるんだよ。」
が気付いていなかったので土方はばつが悪そうに言った。


「あ。いいです。そのうち血も止まって歩けるようになりますから。」
「可愛くねぇ女だな。黙って乗ればいいんだよ。」
「可愛くない女ですいませんね。男にすがるまで落ちぶれていませんよ。」
「住ませてもらってるくせに随分偉そうに言えるもんだな。」
「それは感謝しています。でも、それとこれとは別物です。」
「うっせえな。黙って乗れよ。」
討論は耐えない。



本当に可愛くない。
女だったら喜んで背中に乗るだろうと土方は思った。


「ったく。」
拉致があかないと思い土方はいきなりを背負い、歩きだした。

「…頼んでないんですけど。」
が不機嫌に言った。
しかし内心少しとまどっている自分には気が付いた。


「うるせえ。少しは感謝しろ。」
土方は言った。


部屋につくと膝の手当を土方はしてやった。


「ほら、終わったぞ。」
そう言うと軽く膝を叩いた。
「痛っ。……ありがとうございました。」
「どういたしまして。」
心のこもってないお礼に心のこもってない返事をした。



「気を付けろよ、馬鹿。」
そういうと土方は乱暴に戸を閉めて出ていった。




「…誰も頼んでないんですけどね。」
は自分の足をみた。
丁寧に包帯が巻かれてある。



は土方のことを考えた。
自分の素性も言わない奴を住ましてくれる馬鹿な人。
感情にかんしては不器用で、いつも喧嘩をする人。
でも、いつも自分の事を考えていてくれいている人。
なにかと言っては助けてくれる人。
考えていると長所ばかりが出てくる。
もしかしたら自分は土方の事をすきなのかもしれない。


「…ありえない。…よね。」


人を好きになることなんてもうしないと誓ったのに。


ちいさくため息をもらし、はそのまま目を閉じた。






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あとがき。
なんか書けない。
もっっと違う風に書きたいのに。